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診療内容

こどもの病気のお話

病気の説明だけでなく、治療や検査などに関する当院の考え方などについても触れています。少しずつ病気の種類を増やし、新しい知見も加えていこうと思っています。

インフルエンザ

毎年12月頃から3月頃にかけて流行します。多くの場合A型→B型の順に流行が起こります。マスコミの扇情的な報道によって、インフルエンザ→迅速診断→タミフル内服、 が当然のことのように受け入れられる風潮が一部にありますが、 本来インフルエンザは無治療でも4~5日で治癒する疾患です。タミフルは高熱や全身倦怠、関節痛などインフルエンザに特徴的な不快な症状の持続期間を短縮させる薬にすぎません (お薬の話参照)。原因は不明ですが、特に1歳くらいから学童期のお子さんは、インフルエンザ脳症という重篤な合併症を ごく稀に発症します。病初期に高熱とともに意識障害が現れた場合には、直ちに医療機関を受診してください。 今のところ、ワクチン接種やタミフルの内服が脳症の発症を防ぐという証拠はありません。 しかし、ワクチン接種によりインフルエンザ自体の発症をある程度までは減らすことができるとされています。

嘔吐下痢症

ウイルス性の胃腸炎を総称した病名ですが、主として晩秋から初春にかけて流行します。 代表的なウイルスとしてノロウイルス、ロタウイルスがあります。特にロタウイルスは発熱や、 嘔吐下痢症状が重篤になることがあり、乳児では脱水症をきたす場合もあります。 ロタウイルスの場合、便中のウイルスの有無を検査キットで診断できます。受診される際には便を持参してください。 輸液(点滴)や入院が必要となることもありますが、最近経口補液療法 (適切な濃度の塩分、糖分を含んだ飲料水が開発されています)の有用性が注目され、点滴が必要となるケースが減ってきています。 下痢がかなり長く持続しますが、下痢を止めてしまう作用のある薬剤は、かえって病気を長引かせてしまう恐れがあり、 あまり使用しません。一時的に乳糖不耐となることが多いため、食事療法も重要です。

熱性痙攣

高熱に対する中枢神経系の抵抗性が低い体質のかたがおられ、突発性発疹などの発熱性疾患の際に短時間 (ほとんどは5分以内)の痙攣をきたしますが、多くは4~5歳までに起こさなくなります。 痙攣を繰り返す方もおられますが、初回のみ、あるいは2~3回のみの方が多く、 また、ひとつの発熱のエピソード中に何度も痙攣を起こすことは稀です。 したがって頻回に痙攣をきたす方以外には、発熱時に早めに解熱剤や痙攣予防の座薬を使用することはお勧めしていません。 痙攣を繰り返す場合、長時間持続する、痙攣に左右差や痙攣後に麻痺が残る場合などは脳波やMRI検査などが必要となる場合があります。

RSウイルス感染症

晩秋から冬季に流行する呼吸器感染症です。あまり知られてはいませんが、乳児期には注意が必要な疾患です。 喘鳴を伴う咳、鼻汁が強くなり、哺乳困難や喘息のような呼吸困難をきたすこともあります。 このため酸素吸入や輸液などを施行することもあり、入院加療が必要になるお子さんもおられます。 RSウイルスそのものに対する有効な治療法はなく、一般的な治療は外来での吸入療法や気管支喘息に準じた治療です。 ただし、著しい早産や低出生体重児、心臓に重い障害を持つお子さんなどには、 流行期の前にこのウイルスに対する抗体を注射することで、重症化を防げることがあります。

食物アレルギー

アトピー性皮膚炎との関連で関心をもたれることが多く、乳児では卵白、牛乳、小麦などのアレルギーが頻度が高いものです。 多くの場合、皮膚の発赤や発疹、蕁麻疹などが症状の主体ですが、呼吸困難や血便などを来したり、 ショック状態(アナフィラキシーショック)となることもあります。発症のエピソードから診断は可能ですが、 より正確を期すために血液検査(RAST検査)なども行います。治療の主体は抗原の除去(食餌制限)ですが、 乳児期のお子さんでは、消化器系の成熟、発達とともに1~1。5歳までに軽快していくことが多く、 長期にわたって厳重な食餌制限を継続すると、成長障害を来すこともあります。 アレルギーの程度が強かった方には、食餌抗原負荷試験(厳重な監視の下に、その食物を少量摂取する)を行うこともあります。 妊娠中や授乳中のお母さんが厳しい食餌制限をされることは、胎児の発育などへの悪影響もあり、お勧めしません。

アトピー性皮膚炎

小児科に来られるお子さんには、3~6か月ごろから発症し、1歳から1。5歳くらいで軽快するタイプと、 その後まで長期に持続するタイプがあります。前者は頻度が高く、食餌抗原が関与していることがあり、 腸管の成熟とともに軽快するタイプですので、食餌抗原除去が有効な場合があります。 ただし、自然に軽快していく傾向がありますので、過度かつ長期の抗原除去(食餌療法)は勧められません。 後者は頻度は低いですが、難治性のことが多く、なかなかオールマイティな治療法がないため、長期化する傾向があります。 その子の状態にあったスキンケア(ステロイド剤の適切な使用。保湿剤の併用など)を一緒に考えてゆきます。

抗生剤について

抗生物質の適正使用を実践しています。

当クリニックでは、厚生労働省健康局結核感染症課が発行する「抗微生物薬適正使用の手引き」を参考に、抗生物質の適正使用を実践しています。

特に小児の「かぜ」や「急性胃腸炎」は、多くがウイルス感染によるものであり、抗生物質は細菌には有効ですが、ウイルスには全く効果がありません。それどころか、腸内の善玉菌まで減らしてしまう可能性があり、乱用は耐性菌の増加を招き、将来いざという時に薬が効かなくなる危険性もあります。そのため、必要な場合を除き、抗生物質の処方は極力行いません。

「急性中耳炎」はガイドラインに準じて重症度を評価し薬剤選択を行います。

 ❶ 「かぜ」の90%以上はウイルス感染

ウイルス感染の場合、多くは3〜4日で解熱し、症状も自然に改善していきます。この間は十分な栄養と水分を摂り、安静に過ごすことが大切です。下痢が強い場合は脱水の恐れがあるため、糖分・塩分を含んだ水分補給が重要です。一方で、以下のような症状がある場合には、細菌感染や重症化の可能性があるため、受診を推奨します。

 ① 38℃以上の発熱が5日以上続く場合

 ② 咳が強く夜も眠れない場合

 ③ 水分摂取できない、またはすぐ吐いてしまう場合

 ④ 6時間以上排尿がない場合、など

現在では「風邪に抗生物質は効かない」という事実は広く知られるようになりました。私たち小児科医も、以前から不要な抗生物質の投与を避ける努力を重ねてきました。これは安易な処方が耐性菌の増加を促すためであり、社会全体の感染症治療に深刻な影響を及ぼすからです。近年では「乳児期の抗菌剤投与と幼児期以降のアレルギー疾患との関連」も数多く報告されるようになりました。

 ❷ 抗生物質治療の必要性を、より正確に判断するため

各種検査機器を導入しています

 💉微量の血液検査(数分で感染症の重症度評価)

 🍗迅速診断キット(インフルエンザ,アデノウイルス,溶連菌,百日咳,マイコプラズマ,水疱瘡など)

検査の結果、細菌感染や重症の可能性が高いと判断される場合には、外来での抗生物質点滴治療を積極的に行い、肺炎などによる入院を可能な限り減らすよう努めています。

 

 

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